小説第3弾！ｙａ－

今回は「対決が迫る。という感じで書いてみました。

勝つのは狼川か、時雨か！

～過去の作品～

第壱話：「オオカミ」

第弐話：「メグリアワセ」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　

プロローグ

時雨　連。彼は現実から逃げる事で己を肯定した。

彼が島に来たのは6年ほど前の事であった。

夏休み最後の日に好奇心と言うかカノジョに振り回され、この島にやってきた。

彼は用心用に「ナイフ」をポケットにしまい・・・

結果的に失われた命は・・・カノジョの命だった。・・・

あの日以来、彼はこの島の一員になった。

この島で何をしたい？と問われ答えたその日から――

東地区地下街。人が波となり所狭しと並ぶ繁華街的存在。

島で1番喧嘩が起こる場所でも・・・

聞こえる喧騒は明らかに高く高く・・・

第3話「ホンノウ」

護衛隊の役目は大きく分けて島東部の警備とボスの護衛。

東部地下街の喧嘩処理も彼らの仕事だ。

茶髪男が口を開く「どうやら今回は金銭トラブルが原因みたいですよ。」

先頭を進む男「時雨　連」は涼しげな顔をし、「雪かきの件もあるから56秒で片付けるぞ。」「はい」

彼の頭から妙に離れない人名がある。「狼川　龍」・・・。

都市伝説にしては現実味があり、島最下層の調査隊によれば存在は確認されないがごく1部は彼の支配下にあるという。

「狼川・・・」

急遽、A級(東区の個人による戦闘能力段階。)の彼らが地下街の喧嘩処理担当になったのは、つい1時間ほど前の事である。

歩いていると「やれ！」「殺せ！」などの声援(？)が聞こえてくる。

一部の野次馬が時雨の姿を見ると「来んの早えーよ」などとクレームをぶつけて来る。

「ほう」喧嘩の状況・・・いやリンチというのだろか・・・金属バットを持った青年がスーツ姿の中年を殴り続けていた。

無論1人ではなく5人ほどのグループで・・・

茶髪男はつねに背負っているケースから鉄の金棒を取り出した。

1人の青年が護衛隊に気づき、コチラを向く。

「なんだよ。見てんじゃねぇよ！」1人が又向く。目の焦点が合っていない。シャブ中らしい。

手にした金属バットは既に血まみれ。どうやら相当殴っていたらしい。

顔半分に刺青をした男は拳銃を所持していた。

「あんたこの区のお偉いさんを守ってる護衛隊の時雨か？」

時雨は質問に答えず日本刀を抜く、「今逃げれば見逃してやってもいいぜ？」

少年たちは笑う。「はははっはははっははははっはははっはあぁぁぁ・・・・・・バカだろ。日本刀何か意味ねーし。銃だろがバーカ」

時雨は笑わない。「そうか・・・死を選ぶか・・・それも選択の内の１つだ」

少年の1人がキレテ発砲をした。

銃声―――

野次馬は発砲を確認したものから逃げていくが、銃を確認できない外側の者は何が何だか分からない。

時雨は言う「銃を抜いたなぁ？」再び発砲。しかし金属音に遮られる。「ば・・・ぐううううううぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおお・・・！」

単純な事で時雨が弾丸に日本刀を当てて、弾丸を刀で受け止めて反射させて相手の足に当てたのだ。

悲鳴を上げる一人を置いて行き、残りの４名は逃走した。

「くそう・・・狼川さんに・・・」

チンピラは狼川に報告した。そして・・・数日が立ち・・・

「ん？」・・地震？・・・

揺れる西区本部。本部とは言え島完成の暁には「高級ホテル」になる予定だったホテルなのだが・・・

ホテル(西区本部)の設計は強度の地震でも大丈夫なので恐らく移住区なんかは・・・

しかしそれは地震ではなかった。

西区本部地下の底に故意に設置された「爆弾｣によるものだった。

「さぁ・・・宣戦布告しようじゃないか？」チンピラ集団で纏った狼川と、

権力と力で日本刀を纏う時雨。

ドチラカガシヌカラコノヨノセイシガアルノサ。続く。